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面積|18,333平方キロメートル
人口|795,000人(2000年推定)
GDP|16億1,430米ドル(2000年推定)
一人あたりGDP|1,837米ドル(2000年推定)
公式通貨|フィジー・ドル


 フィジー共和国は約330の島からなり、南太平洋にある130万平方kmに及ぶ排他的経済地域内に散在している。
 国土面積は18,333平方kmであり、山地および火山性の島が多い。最大の島ビチレブは、最も発展し人口も最大である。島内には首都スヴァ、ナンディ国際空港、多くの第1次、第2次産業、良質の観光インフラがある。
 フィジー政府は、国内・外の投資家に同様な待遇を与えることによって、投資市場の活性化を図っている。すなわちフィジーの発展、現存する資源利用や投資の観点から、その投資がフィジーにとって望ましいものであれば、差別をする理由は全くないということである。政府が望ましいと考える外国からの投資案件としては、

  • フィジーの健全な経済発展を助けるもの
  • 輸出を増大させるもの
  • 国内企業の資本参加機会、とくにフィジーの天然資源の利用を図れるプロジェクト
  • フィジー人に雇用やトレーニングの機会を与えるもの
  • フィジーの産品に付加価値をもたらす加工・製造案件
  • 道路や労働などのインフラ整備に貢献する事業活動

 小規模な地方市場の観点から、産業の発展は輸出志向型産業の動向にかかっている。フィジー政府は原則として、上述の目的に適うフィジーに適した輸出志向型プロジェクトを支援していくことになろう。



投資の審査と承認

 フィジー貿易投資局(the Fiji Trade and Investment Bureau= FTIB)は、投資の促進とマーケティングを担当する政府機関として1980年に設立された。FTIBは外国投資の申請を受付け、また、投資家に情報を提供すると同時に、政府や政府機関、地方組織などとの交渉が円滑に進むよう投資家を支援をする。
 投資許可の審査には、正式書類が提出されてから約2週間を要する。
 提出したプロジェクトが拒否された場合、それを修正し再提出することが可能である。その審査には初回の審査と同じ程度の日数を要する。申請についての質問や疑問がある場合、FTIBがその交渉相手となる(連絡先は最終ページにある)。また、投資家は民間の投資コンサルタントや監査法人等に申請手続きを依頼することもできる。
 経済分野にはそれぞれに政府機関があり、投資関係についても個別に委員会をもって対応しており、FTIBは、投資家がそれぞれに適応した対応ができるようにアドバイスを行なっている。

1998年外国投資法

 1998年外国投資法(FIA1998)は、1998年8月に上院で承認され、商業・工業・協同組合・公営企業大臣により制定された。
 FIA1998は、フィジーへの外国投資について規定したもので、要点は次の2点である。
1)投資手続きの透明性と分かりやすさを高め、究極的には承認に要する時間を短縮することを目的の一つにしている。申請から認可までに要する時間を15日以内とする。
2)また、規制もしくは禁止分野、投資を奨励する分野を明確にする。
 FIA1998は、基本的にはフィジー人(企業)にのみ投資が認められる「保護リスト」にある分野以外に対する投資で、外国投資にあたって一定の条件を付す「規制リスト」を示した上で、これに適う外国投資を奨励するものとなっている。「保護リスト」と「規制リスト」は、外国投資規則1988の主要な部分を形成している。フィジー人投資家、外国人投資家双方の投資を規制している禁止事業については外国投資規則から切り離され、それぞれの関係法規に規定されることとなった。

証明書

法律ではフィジー貿易・投資局長官が外国投資証明書を発行することになっており、投資家の以下の活動は犯罪行為として摘発される。

  • 証明書のない営業行為
  • 保護リスト分野もしくは規制リストに触れる活動
  • 証明書に付せられた規定もしくは条件に対する違反

貿易・投資局長官は投資申請の承認もしくは却下を、申請がなされた日から15日以内に書面をもって行なわなければならないことになっている。

必要事項

フィジー共和国政府は資本、経営、技術等により、フィジーの経済、社会発展に貢献することが見込まれる外国投資を歓迎している。フィジー人(企業)との合弁事業は、フィジーの企業家を育成するという意味でも大いに奨励される。
外国投資に求められるのは、以下のことである。

  • プロジェクトに見合った資金の投入
  • 適正な価格でのフィジー資産の取得
  • 負債の比率が資産の3分の1を超えない
  • 原則として、固定資産取得資金が外国資金で賄われること

さらにフィジー側の貸し手が非居住投資家に事業資金に融資を行なう場合、外国為替法に基づく許可を準備銀行から得なければならない。

会社・企業の形態

企業形式

フィジー共和国では、次の企業形態により事業が営まれる。

  • 株式会社
  • 合資、合名会社
  • 個人経営

外国の投資家は通常海外企業の支店か現地に設立した子会社をとおして運営する。また、外国資本と資本関係のない会社を通して事業を行なうこともある。

会社のタイプ

法律では会社組織の種類を次のように規定している。

  • 有限責任会社
  • 無限責任会社
  • 株式を公開する株式会社または私企業
会社法と経営

企業に関する法規は、1983年会社法が根拠となっている。会社登録機関はその法律に基づいて必要事項を管理する。政府は、法律の変更等方針を策定し、裁判所は法律上の問題点について判断を下す。

最恵国待遇を与えていない国/経済体制での非差別

全ての外国投資家は国籍に関係なくフィジーへの投資を許可され、法律上の差別を受けない。

内国民待遇

……該当なし

投資資金の借入れ

外国企業(非居住会社)は固定資産取得金及び運転資金を国内の商業銀行もしくは他の公認金融機関から借入れることができる。この場合、両資金の借入れ限度は外国資本による支配率に応じて、自己資本に対する負債総額(外国での借入れを含む)は下記倍率を限度とする。

  • 外国の出資比率が91〜100%の企業… 3倍
  • 外国の出資比率が71〜90%の企業… 4倍
  • 外国の出資比率が51〜70%の企業… 5倍

フィジー内国法人(企業)は50万フィジー・ドルまでフィジー準備銀行(RBF)の許可を得ることなく外貨借入れを行なうことができる。この限度額を超える場合はRBFへの照会が必要である。

外国為替取引(当座勘定)

外国為替取引を容易にするために、資本取引のために外国為替を求めている投資家は関係書類を添えてRBFに申請するか、あるいは直接、商業銀行に申し込む必要がある。為替管理は送金、投資、輸出に大まかに分類されている。外国為替は公認された商業銀行を通じて海外に送られる。投資家が輸出により得た外貨は取引きが行なわれた日から6ヵ月以内にフィジーに送金されなければならない。しかしながら、輸出者は輸出金額の一定額(現在は40%)を選んだ外貨で外貨口座に保有することができる。外貨口座は予めRBFの認可を得て商業銀行に開設できる。

資本の本国送金

外国の出資による企業が行なう利益金、資本金、キャピタルゲインの送金に対する規制はない。現行のガイドラインでは1件の申請が50万フィジー・ドル以下の場合、事前にRBFに照会することなく商業銀行が送金を承認できることになっている。送金される金額については、国税庁の納税証明が必要となる。50万フィジー・ドルを超える場合はRBFの認可の照会をする。利益金の送金額が巨額に上る時はRBFは必要に応じ送金時期を調整する権限を有している。非居住者による資本利益或いは資本の引揚げは年間500万フィジー・ドルを限度としている。送金を留保してきた利益配当金の送金については過去3年分を限度とする。この限度を超えて送金する場合は、納税証明と企業の決算監査証明を裏付けとした配当についての役員会決議を付して申請しなければならない。

土地利用の制限

 国土の約83%は先住フィジー人によって所有されている。これらは伝統的に先住フィジー人に所有されてきており彼らの同意なしには賃貸借できない。
 余剰地はNative Land Trust Board(NLTB)を通して賃貸借される。国土の約7%は政府によって管理されているが、これについてもNLTBの土地と同様に売却されることはない。これらの土地の利用については公示されるが、特別な目的のための利用については、たとえ個人の申請であっても考慮される。
 自由保有の土地は全国土のうちの残り10%である。自由保有不動産として所有されている土地に対する利用権は、私的所有者と交渉の余地がある。
 使用権譲渡の一般的方法はリースである。リースの条件や期間はそれぞれの契約区分によって異なる。リース費用には、土地を占有する機関に支払う年1回の使用料と、実際のリース料もしくは割増料(市場価格により年間ベースで決められる)が含まれる。借地権の売却、移転、変更はNLTBや国土省の同意を受ける必要がある。

外国労働者とその家族の入国と滞在

 フィジー共和国との間でビザ協定のある国からの来訪者に対する入国ビザはフィジー到着時に発給される。その他の国からの来訪者は事前に入国ビザを取得する必要がある。入国ビザは通常4ヵ月以内の滞在を許可しているが、移民局への申請により2ヵ月間の延長が認められる。
 入国ビザの取得方法等については、在外国のフィジー共和国代表(大使館、領事館等)が対応する。
 フィジー共和国での事業に25万フィジー・ドル以上の投資を行なう外国人投資家もしくはその事業を担当する外国人は、本人と配偶者並びに21歳未満の子どもに対し7年間の滞在が認められる投資家ビザ発給の適格者となる。これより金額が少ない投資でもフィジー共和国経済に利益をもたらす投資と認定された場合は、3年間の滞在ビザの発給を受けることができる。
 雇用契約による入国については、必要とされる技能者、専門家等の調達がフィジーで困難な場合に許可され、この場合も通常、配偶者と21歳未満の子どもの帯同が認められる。また、外国企業は必要とされる人材がフィジー内で得られない場合、そのフィジー支店もしくは子会社の主要ポストに自社の人間を派遣することができる。これらの場合、3年間の労働許可が与えられ、その後も適格者の調達が困難と認められた場合、期間の延長が認められる。
 居住並びに労働許可申請用紙はフィジー共和国の在外公館で1件当たり2.75米ドルで入手できる。申請手数料は1件当たり137.75米ドルとなっている。申請者の法的な配偶者及び21歳未満の子どもについても同一用紙に含まれている。許可の交付に際しては1人当たりさらに55.10米ドルの費用がかかる。内縁関係の家族については個別の申請を行なう必要がある。
 許可交付に際しては、移民保証金(後日返還される)の支払が要求される。

労働者と労働法規

 フィジー共和国では適応性のある、訓練された、英語を話せる既成の労働者を容易に雇用できる。フィジー共和国の労働人口は1996年の推定で301,500人とされているが、そのうちの36%が常雇いの賃金労働者である。
 労働者の77%は中等レベルまで教育を受けており、4%は高等教育を受けている。政府はフィジー共和国の発展に必要な労働者の技術と能力開発の必要性を認識しており、このための各種訓練機関を認定もしくは設立している。現在の主な機関としては次のものがある。

  • フィジー工科大学
  • セントラル・クイーンズランド大学
  • 南太平洋大学
  • フィジー農業専門学校
  • フィジー国立訓練評議会
  • フィジー服飾訓練センター

この他に各種私立教育・職業学校が、フィジー共和国が必要とする人材育成のためのコンピュータ関連教育を含めた各種訓練、教育プログラムを実行している。

労働者の採用

フィジー共和国では訓練労働者、非訓練労働者とも容易に調達可能である。しかしながら、経験豊富な中間或いはトップマネージメントの人材が不足していることから、これらの人材を必要とするポストには外国人を雇うこともある。

労働関係法規

労働省が労働法の執行と労使問題を含む労働環境の維持、福祉問題を所管している。
以下の関係法規がフィジー共和国における雇用問題を律している。

  • 雇用法…特別なカテゴリーの労働者を除く、全ての労働者に関する雇用問題を規定。
  • 労働者補償法…労働災害に関する規定。
  • 労働者健康・安全法…職業上の健康と安全について規定。
  • フィジー国立訓練評議会法…雇用労働者の職業訓練に関する規定。
  • 労働争議法…労使紛争の処理、手続きに関する規定。
  • 賃金委員会法…賃金委員会の設立に関する規定。
  • 労働組合法…労働組合の設立と、組合と組合員の関係について規定。
  • フィジー国家準備基金法…年金と老齢者給付に関して規定。
賃金委員会

賃金委員会法によって設立された賃金委員会は、労使双方から各4名の代表と3人の中立委員によって構成されている。委員会は団体交渉機能を持たない業界の賃金水準、休暇の仲裁、諮問に応じる。法律では以下の9つの分野の賃金裁定を行なうことになっている。

  • 卸小売業
  • 建設、土木産業
  • ホテル、ケータリング業
  • 道路、運送業
  • 木材、伐採、製材業
  • 印刷業
  • 衣料、縫製業
  • 一般製造業
  • 鉱業、採掘業
労働争議の仲裁

労働争議の取り扱いについては労働争議法に規定している。この法律は全ての争議を労働省の次官に対し通告することを義務付けており、次官は自身もしくは代理者を指名し調停にあたるか、場合によっては大臣に委ねるものとする。調停のための話し合いが不調に終わった場合、労使双方の同意を得て争議は裁定に付される。法では基本的契約に違反する行為の禁止や労働争議に関する査問委員会の設置についても規定している。大臣は法により違法ストライキに対する強権を与えられている。

労働組合と被雇用者/雇用者協会

 労働組合法は労働組合及び雇用者協会の結成、登録について規定している。労働組合の登録は強制義務であり、登録された組織は法の下で法人とされる。
 労働組合が団体交渉で得た合意は、ほぼ全ての労働者に適用される。労使並びに政府代表の3者による合意体制は労働諮問委員会、賃金委員会、国家職業健康・安全問題諮問委員会にも活かされている。

雇用労働者訓練計画

フィジー国立訓練委員会法では、(特定の産業と役務を除いては)全ての雇用主に支払給与、手当総額の1%を6ヵ月毎に産業訓練基金として委員会に納めるスキームを制定している。企業が企業内で委員の規定する職員の訓練を実施した場合、これにかかった費用を委員会に請求することができる。認められる額は訓練のタイプと程度によるが、企業が賦課された基金を滞りなく納めていることが条件となる。委員会は企業が他のカテゴリーに属する訓練プログラムもしくは訓練作業を行なった場合でも、被雇用者の技能向上に適うものであれば、給付金の支給を行なうことがある。

労働条件と賃金

フィジーにはいかなるタイプの雇用も法的な最低賃金制はなく、賃金決定は次の3つのガイドラインに因っている。
1)労働組合による合意
労働組合員については組合が最低賃金、年間の賃金上昇率、その他の手当等について交渉し、組合の合意で代理される。
2)賃金規則による命令
賃金委員会による賃金規則により、賃金委員会が設けられた産業の労働者のための最低賃金のガイドラインや賃金の年間上昇率、その他の手当が決定される。
3)個別交渉による決定
上記1)、2)に含まれない労働者についてはこのカテゴリーの対象となり、雇用主との個別交渉により賃金、賃金改定、諸手当の決定を行なう。

その他雇用に関する情報

労働時間

労働時間は週40時間から48時間が通常で、事業分野により異なる。

超過勤務

超過勤務の賃金は通常時間の1.5倍か2倍で賃金ガイドラインやケースによっては企業の方針で決められる。日曜日と祝日の労働については通常、所定内勤務賃金の2倍となっている。

祝日

フィジー共和国には有給の祝日が13日ある。

病気休暇

病気休暇の権利は各賃金委員会が定めるガイドラインによるが、通常は暦年5日から10日の間で定められている。団体交渉でない場合は労使による個別交渉により決定される。

年次休暇

年次休暇は医師の診断書の提示なしの欠勤が年間36労働日以内の労働者に対し、最低10労働日の年次休暇を与えなければならない。年次休暇は連続して取ることができ、雇用主の要請で分割して取る場合でも、少なくとも1回は1週間連続した休暇を与えなければならない。

妊婦の保護

女性労働者が出産の場合、出産予定日前と出産後について各々連続して45日間の出産休暇の権利を与えなければならない。また、この場合出産休暇の期間、1日当たり2.50米ドルの出産手当を受け取る権利が与えられる。

最低賃金レート

賃金委員会が規定した最低賃金レート(1997年1月改定)

建設土木業 (単位:米ドル)
労働者の区分時間当たりの最低レート
18歳以下の被熟練工0.74
18歳以下の非熟練工0.82
一般の熟練工0.96
2級熟練工1.00
1級熟練工1.05
技能工1.09
運転手1.00
事務員0.96
監視員0.63
卸・小売り業 (単位:米ドル)
労働者の区分時間当たりの最低レート
18歳未満18歳以上
キャッシャー0.850.91
事務員0.840.89
運転手0.850.97
トレーラー運転手0.870.94
フォークリフト運転手0.870.94
包装・梱包作業0.820.89
セールスマン0.860.92
ミシン縫製0.840.90
補助店員0.840.89
店員0.850.91
非熟練従業員0.770.84
その他従業員0.840.89
警備員0.800.86
ホテル・ケータリング業 (単位:米ドル)
労働者の区分ライセンス保有企業その他の企業
バーマン0.790.69
事務員0.770.68
調理師0.820.73
一般職0.740.65
客室清掃員0.740.65
キッチン手伝い0.740.65
洗濯0.740.65
夜警0.740.65
野外労働者0.740.65
見習い訓練生0.560.57
ウェイター0.740.65
警備員0.740.65
社会保険

年金

フィジー国家準備基金法に基づくフィジー国家準備基金(FNPF)には老齢年金、重度身体障害者年金が含まれる。基金は企業と従業員の掛金により賄われ、雇用主は従業員給与の8%を納めると共に従業員の給与から同額を控除納付する義務を課せられる。法には、加入員が死亡した場合に扶養家族または予め指名された者に支払われる死亡給付についても規定されている。
以下の場合、掛金の引出しが認められる。

  • 加入者が55歳に達した時
  • 加入者が移住、出国する場合
  • 加入者が家を建築もしくは購入する場合
  • 緊急事態により必要とされる場合

外国人労働者も基金への加入が求められるが、既に他の公認の年金基金に加入している場合は加入が免除される。また、基金は自営業者の自発的加入を認めており、この場合の掛金は通常の8%より高い率が適用される。

労働者災害保険

労働災害により労働者が負傷、死亡した場合の給付については労働者傷害保険法に規定されている。全ての企業は従業員が就労中の事故により負傷もしくは死亡した場合に備え、労働者災害保険に加入することを義務付けられている。

職業上の健康・安全法

職業上の健康・安全法は職場における安全と健康対策の詳細について規定している。企業は、生産性の向上と職場環境の改善、職場での事故防止のために定めた法の求めに応じなければならない。

税制

税金の種類

フィジー政府の主な財政収入は、以下の税金によっている。

  • 所得税
  • 源泉税
  • 土地売却税
  • 付加価値税
  • 賭博売上税
フィジー共和国の所得税の特徴

フィジー政府の主な財政収入は、以下の税金によっている。

  • 所得税はキャピタルゲイン及び法により除外される特別な所得を除く全ての納税者が得た所得に課税される。土地の賃貸所得、ビジネスライセンス税、固定資産税は地方政府及び特定の政府機関が課税する。税金はフィジー所得税法に規定された課税所得に課せられ、フィジー共和国国税庁長官、フィジー共和国歳入税関庁が所得税法の執行機関となっている。フィジー共和国の課税年度は1月1日から12月31日となっているが、これと異なる会計年度を採用する企業は歳入・税関庁の許可を必要とする。
  • フィジー共和国の居住者は国内外で得た所得が課税所得とされる。二重課税を避けるために、フィジー共和国との間で二重課税防止協定がある国(英国、日本、ニュージーランド、オーストラリア等)で得た所得に当該国で課税された場合は、その所得額は所得控除の対象となる。フィジー共和国は二重課税防止協定を締結していない国についても、当該国で課税された所得については一方的に二重課税を救済する措置を講じている。
  • 非居住者の所得税はフィジー共和国内に源泉のある所得のみが課税の対象となる。
  • 個々の課税率は居住者、非居住者により異なる。企業の支払う課税率は企業の登録身分(資格)により決まることになる。
  • 所得税法でいう納税者の種類は企業、個人、信託の3種類である。
  • 共同事業は共同事業としての課税は行なわれないが、確定申告書の提出が義務付けられている。共同事業所得は個々の共同出資者の持ち分に基づいて計算し、個々の共同出資者の個人所得として課税される。
  • 信託を源泉とする所得は信託受託者の手に残るか受益者の手に渡るかで次のように扱われる。
  • 分配されず信託受託者の手許に残る場合…信託所得
  • ごく一部の受益者に分配され受託者の手許に残る場合…信託所得
  • 受益者に分配され受益者の手に渡った場合…個人所得
課税所得の確定

税金の基準

 所得税は課税されるべき所得、即ち所得総額から認定控除項目による額を差し引いた課税所得に課せられる。
 総所得は一般に理解されているように控除後の「所得」と表現されるが、税法上は他のカテゴリー収入も加えた総所得を指す。

総所得

納税者の所得としては以下のものが含まれる。

  • その年の純益または利益
  • 報酬、手数料、給料、賃金、謝礼等、サービスの対価
  • 賃貸料
  • 配当金(内国法人から内国法人への配当は除く)
  • 利息
  • ロイヤリティ
  • 現物給与
非課税所得

一部の収入で現在キャピタルゲイン(資本利得)と見なされて非課税とされているものもある。贈与、遺産なども非課税所得とされている。

控除項目

企業の損益表に計上される殆どの種類の経費で、納税者の取引き、事業、職業、勤務に関わる支出は経費と見なされる。所得税法では特定の費用もしくは支出について、その種類と金額を控除可能項目に指定している。以下の項目はその例である。

  • 国家準備基金もしくは承認を受けた定年退職準備制度の事業主掛金
  • 認可を受けた慈善団体への寄付
  • 前年度損失金(一定条件あり)
  • 事業のための固定資産の償却費用(所得税法による償却率で計算)
対象外所得
非居住者
フィジー共和国以外の国での所得は課税所得の対象としない。
居住者
全ての所得源からの所得を課税所得とするが、フィジー共和国と二重課税防止協定のある国を源泉とする 所得で当該国で課税された場合には課税所得から除外され、フィジー共和国での所得のみが課税対象となる。 また、二重課税防止協定を締結していない国での所得で当該国で課税納税されたものについてもフィジー共和国 での課税対象から除外される。
所得税法では、以下の所得については課税対象から除外されることとしている。
  • 特定の非営利団体、慈善団体及び労働組合の所得
  • 学生手当、奨学金
  • フィジーの内国法人が、フィジーの内国法人から受け取る配当金
  • 労働者が退職時に雇用主から受け取る2,500米ドル以下の一時金
  • 死亡手当、死亡もしくは負傷補償金
  • 源泉徴収税の対象となる非居住者に対する配当金
  • 銀行法の規定により許可され、銀行が保有する非居住者向け外国ローンの利息
企業の所得税

フィジーの居住者である企業はフィジーまたは他の国で得た課税所得に対する所得税の支払義務がある。
居住者としての企業とは、次のものを指す。

  • フィジー共和国で設立された会社
  • フィジー共和国で事業を営む会社で、フィジー共和国内で実質的に経営、支配されるか、フィジー共和国の居住者である出資者が株式支配権を持つ会社

外国会社の支店として運営される企業の所得税については、フィジー共和国を源泉とする所得のみが課税所得とされる。

企業の所得税率

税率は居住者、非居住者とも同一で、次の通りである。

  • 2001年 34%
  • 2002年 32%(予定)
  • 2003年以降 30%(予定)

課税年度は1月1日〜12月31日の1年となっているが、企業が異なる会計年度を採用することも許可される。 企業は年2回の税金の前払いを要求され、いずれも推定納税額の3分の1で、1回目が会計年度の終了前で、2回目が会計年度終了の日から3ヵ月以内となっている。残りについては確定通知を受けた日から1ヵ月以内に納めなければならない。

個人の所得税

居住者である個人はフィジー共和国及びフィジー共和国以外の国で得た所得に対する所得税を納める義務を負う。居住者である個人とは、次の通り。

  • フィジー共和国に住所がある(税務長官が外国永住を認めていない)個人
  • フィジー共和国に実際に継続的に住んでいるか、断続的の場合でも合計滞在日数が会計年度の半年以上に及んだ個人を指す。(税務長官がその者の住所が外国にありフィジー共和国に住む意志がないと確認した場合を除く。)

上記に該当しない個人は税務上非居住者としてフィジー共和国に源泉のある所得についてのみ、所得税納付の義務を負う。

所得の源泉

給与、賃金、手数料、管理料、役員報酬、その他フィジー共和国内での役務の対価として得た収入をフィジー共和国を源泉とする所得とする。
フィジー共和国国内で雇用され、これにより生じた個人の所得は、通常税の義務を負う。

諸手当・現物支給

個人の合計所得には事業もしくは雇用により得る賃金、給与、報酬、手当、現物手当等全てを含むものとする。

自営業収入

自営業の個人が所得を合計する場合には認められた費用を控除することができる。個人自営業者は前年の納税額を基本にした暫定税額(予定納税)を3回に分けて納めなければならない。暫定税は所得が予定される自営業者全てに適用され、その会計年度の4月30日、8月31日、12月31日の3回に分けて納めることになる。

雇用所得

雇用に関わる収入はPAYE(源泉徴収システム)に基づき、源泉徴集される。このカテゴリーの納税者は年の終わりに確定申告をして最終の調整をしなければならない。雇用に伴う所得にはいくつかの所得控除が規定されている。

居住者のフィジー共和国での所得に対する税率

年間課税所得(フィジー・ドル)納税額
0〜6,5000
6,501〜10,0006,501を超える額の15%
10,001〜20,000525+10,001を超える額の25%
20,000以上3,025+20,000を超える額の34%
非居住者のフィジー共和国での所得に対する税率

年間課税所得(フィジー・ドル)納税額
0〜6,50020%
6,501〜10,00025%
10,001〜20,00030%
20,000以上34%
パートナーシップとジョイントベンチャーの所得税

定義

個人が集まりグループでパートナーとして事業を行ない所得を分け合うケースをフィジー共和国の税法上ではパートナーシップと定義している。ジョイントベンチャー(企業グループによる事業)も税務上パートナーシップと位置付けている。

課税所得

所得税法ではパートナーシップとジョイントベンチャーには確定申告を義務付けているが、パートナーシップ(ジョイントベンチャー)そのものへの所得税の課税は行なわれない。パートナーシップ(ジョイントベンチャー)の所得は、パートナーシップ(ジョイントベンチャー)合意契約に基づく配分比率によりメンバーである個人または企業に配分し個人の所得税確定申告に合算して申告、課税される。パートナーシップとジョイントベンチャーにおいて損失が生じた場合も同様に配分し、それぞれの個人、企業の申告に合算されることになる。

信託財産の所得税

 信託財産の収益は分配が行なわれていない限り、それぞれの個人に一般税の税率が適用される。課税後の未分配利益は資本(信託財産)勘定に帰したものとみなされ、その後に行なわれる分配も資本(信託財産)の分配として扱われ受取り人の所得税課税の対象とならない。
 信託財産に生じた損失は、受益者(委託者)に配分することができない。また、損失を繰り越したり、信託財産の将来の収益と相殺することもできず、資本の減少として扱われることになる。
 未成年者が受け取る信託財産の収益は、未成年者の代理人である受託者の収入として課税の対象となる。

損失の扱い

納税者の事業に於いて損失が生じた場合は当該年度の損失を繰り越し、将来の利益と相殺することができる。繰り越しできる期間は翌年から連続する8年間とし、以下のような条件が付されている。

  • 当該企業や事業が売却されたり、事実上取り止めもしくは大幅な変更が行なわれていない。
  • 次の控除年度に繰り越される時点に於いて、損失発生時の所有実体が51%以上維持されている。
  • 税務長官が当該企業や事業が継続されていると推定し、財務大臣がフィジー共和国の経済発展に資すると認めた。
その他の税金
土地売却税

 土地売却税はフィジー共和国における唯一のキャピタルゲイン税と言えるもので、未開発の土地取引きで生じる利益に課税される。フィジー共和国居住者が12年以上所有していた土地を売却した場合は本税の対象とならない。
 税金は4.757米ドルを超える利益に累進的課税で課税され、最高税率は30%となっている。利益は、購入価格に金利見合いのコスト(所有期間1年につき5%)と保有コスト(固定資産税等)を加えた合計額を売却価格から差し引いた額としている。

印紙税

印紙税は特定の法的な証書(契約書、株式の移動、抵当書類等)に必要とされる。それぞれの額については印紙税法に規定されている。株式を除く資産等の売買には一定額の2%の印紙税、株式の移動については売買額の0.5%の印紙税が必要となる。

賭博取引税

賭博取引税は賭博の受け手が支払う形をとり、賭博において支払われた金額の合計の10%が税金として徴収される。

付加価値税
  • 付加価値税は消費に賦課され財(商品)或いはサービスの価格に組み込まれ、最終消費者が負担する。
  • 税率は一律10%である。
  • 税金は国税庁VAT課に登録された商店、企業等が当局に代わり徴収する形式をとっている。
  • VATに登録された企業等は「登録者」と認定され、商品或いはサービスの購入に際しては10%のVATを支払い、これをクレジットして請求する。(これをinput taxと呼ぶ)
  • 登録者は全ての商品、サービスに10%のVATを加えて販売する。(これをoutput taxと呼ぶ)
  • 登録者は定期的に国税庁VAT課に対し、内税、外税の記録を提出し、内税と外税の差を支払もしくは請求する。
  • この精算は通常毎月(ケースによっては3ヵ月毎に)行なわれる。
  • 登録者は内税を請求するにあたっては所定の「Tax Invoice」を所持していなければならない。
  • 登録者は所得税法の規定と同様VATの記録を7年間保管しなければならない。

輸入と輸出

 商業開発投資省と外務貿易省が政府の輸出入政策に関与している。輸入政策には関税規則、輸入規制、輸入割当についての取り決めなどの他、国内産業のバックアップ、輸入依存度の引下げなどが含まれている。
 輸入については1986年関税法に基づき商品毎に様々な関税率の輸入税が課せられるが、この輸入税はまた、投資インセンティブとしても活用されており、企業が輸入する原材料、部品等の輸入税が免除されるインセンティブの一つとなる。フィジー共和国では殆どの商品は輸入ライセンスを必要としない。しかしながら、フィジー共和国の国内産業を保護するため輸入を制限される製品もある。規制には絶対的なものもあれば、商業開発投資省、農林水産省等の許可をなどの一定の条件の下で輸入が許可されるものある。また、自動車のように輸入数量割当の対象となる特別な製品もある。政府は輸入政策により産業界を支援するという手法を改め、究極的には保護関税をゼロにする方針である。
 各省の輸出管理業務には輸出の数量把握が含まれている。輸出は積極的に奨励される一方で、いくつかの輸出税が課されているが、それらは最小限度である。

事業制限

……規定なし

投資家等を対象とした法規制

……該当なし

その他の関連する法律

……該当なし>

競争政策

価格管理

1989年以降、政府は価格や所得を管理する総合的な制度を改め、食料や飲料それに燃料のような重要物資のみの価格制限を行なう価格管理を継続している。

買収、合併、独占

1998年公正取引改正法では契約、合併等について、それが公正取引に悪影響を与え公正取引法に違反するものであっても、結果に於いて公衆の利益が害を上回るものであれば許されるとの規定が設けられた。これらの規則の運用は商業委員会が行なっている。外国投資家による買収、合併案件は100%の支配権を取得するものでない場合も含め、全て事前の承認が必要とされる。政府は外国為替管理法に基づき外国投資家による買収、合併を管理しており、申請は商業委員会が審査した上で財務大臣に報告し最終決定が下される。

通常、次のような場合は、買収申請は却下される。

  • 独占状態を誘発する。
  • 現下のフィジー国民への富の配分にマイナスとなる。
  • フィジーの経済発展に寄与しない。
 

海外の投資家からの申請が好意的に考慮されるのは次のような場合である。

  • 経営権の移動もしくは買収が事業の継続を可能にする。
  • 買収が事業の拡大を可能にし、もしくは新らしいビジネスの創造につながる。
  • 買収がフィジーの外貨収入を増大させる。
知的財産

商標権、特許権は法律の下で保護される。外国人が商標を登録する場合は、フィジー在住の公認の代理人に依頼する必要がある。また、新しく施行された著作権法により美術品や著作物にも著作権が与えられ保護されることとなった。


 
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