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ヤップ州の概要

ヤップ本当
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ヤップ州はミクロネシア連邦の西端に位置し、東西1200kmにわたる広大な海域に22の有人島を含む138の小さな島々からなる。そのうち4つの大きな島からなるヤップ島はグアムの南西724kmにあり、海岸線をマングローブで覆われた緑豊かな大陸島である。

州都のコロニア(Colonia)はこのヤップ島にあり、ヤップ州の行政や商業活動、観光産業のほとんどはこの島に集中している。離島またはアウターアイランドと呼ばれるヤップ島以外の島々はそのほとんどがサンゴ礁でできた平坦な島で、ヤップ島とはルーツ・文化・言葉を異にする人々が住んでいる。ヤップ州は大きく分けて4つの言語があり、日常生活や地域の自治活動はそれぞれの島の言語で行われ、州政府の行政や出身島の違う人々のコミュニケーションには英語が使われている。

 

人口と人々

ヤップ島には紀元前15から20世紀頃よりインドネシアやフィリピン方面からの人々の移住が始まり、18世紀頃には人口が4万人を超えていたと推定されている。
一方ヤップ州の離島には長い年月をかけてメラネシアの島々を経由して渡ってきた人々が定着した。連邦政府統計局による2013年現在の推定人口は約11,800人である。

社会と生活

言葉や習慣の違う人々をたくさん抱えているヤップ州では、お互いの立場や風習を尊重する気風が強く、その意味では伝統が守られている。ヤップ島の社会と生活は以下の通りである。
 

●石貨

ヤップ島で使用されている通貨は米ドルだが、ライまたはフェと呼ばれる石貨が、伝統的な貸借関係や詫びなどの気持ちを表す道具として現在も使われている。その価値は大きさや重さとは関係なく、その石が運ばれてきた背景とそれを語る人の表現能力によっても評価が変わる。サイズも直径数cmから2.5m以上の大きなものまで様々だ。その多くはパラオで産出された鐘乳石を切り出してカヌーで運ばれてきたもので、中には製作後1000年以上も経つ古いものもあると言われる。1929年の日本の調査では13,281枚を数えたが、太平洋戦争中や戦後に壊されたり海外に持ち出されたものも数多い。現在では石貨の州外持ち出しは一切禁止されている。

●土地の所有制度

ヤップ島社会の基本をなすのは「家=土地」と「村」である。ヤップ人の名前は土地の名前ともいえ、漁をする海域から海岸、屋敷、芋田、畑、山まで名前と一緒に相続される。それらが地域ごとに集まったものが「村」でヤップ島には100近い村があり、それらの村が10の地区(ムニシパル)にそれぞれ所属している。ヤップ州政府が管理する公有地は全体の数% しかない。


●ビンロウチューイング

ヤシ科の植物であるビンロウ(ビートルナッツ)は島のいたるところに植えられており、その実はヤップ島産がもっとも品質が良いと言われる。まだ青い実を半分に割ってコショウ科のキンマの葉の上に乗せ、サンゴから作る白い粉を振りかけ、葉でくるんで口の奥で唾液と混ぜながらよく噛むと、血液の循環が促進され、顔がほてり温かくなる。ヤップのビンロウ噛みは一種の伝統的社交礼儀でもあり、島の大切な場面にはビンロウの実が献上される。


●伝統の踊り

ヤップの伝統的な踊りは村の歴史や教訓話を謡(うたい)に託して大切に語り継いでいく手段があった。踊り手は身体をヤシ油に溶かしたターメリックで染め、更に花や葉で美しく飾り大勢で統一された美をつくる。現存する踊りの型は様々であるが、ヤップ島に古来から伝わる踊りは本来男または女だけで踊られる座踊りや立踊りだった。離島から伝えられた棒術由来の踊りが近年になって男女混合で踊られるようになり、動きが激しく華やかなので観光客にもよく紹介される。また日本の統治時代にできた独特のメロディにのり行進しながら踊る新しい踊りもある。
 

●伝統的な服装

ヤップ州では島によって伝統衣装も異なる。ヤップ島では女性はココヤシの葉やハイビスカスの繊維で編んだ腰みの(ラバラバ)を着るが、離島ではバナナやハイビスカスの繊維、現在では化繊糸で織った腰まきを着る。男性はふんどし(スー)だが、これも島や年齢によって素材や着付けが異なる。現在のヤップ島ではほとんどの人が日常生活を洋装で過ごすが、これらは伝統行事や踊りのときには必ず着用される。離島の暮らしでは今も伝統衣装が一般的だ。


●伝統的な集会所

ヤップ島の各村には今でも二種類の集会所がある。コンクリートブロックとトタン屋根のモダンな建物のものもあるが、未だに伝統建築の集会所を維持している所も多く、これらは見学することもできる。
・ファルー(Faeluw):男の集会所
ファルーは各村の海辺に建てられ、その村の共同船着場、海への玄関口となっている。ヤップ島では海の仕事は男の分担とされ、ファルーは男たちの共同作業場でもあった。かつては10代以上の未婚の男子はファルーで夜を共に過ごし、一人前の男として必要とされる伝統的な知識や技術を身につけた。ファルーはまた、他村からの男子訪問者のゲストハウスでもあった。
・ペバイ(P'eebaey):村の公民館
ペバイは村の公民館的な役割をする施設で、男、女、子供、村の構成員や他村からの招待客まで大勢が集うことがあるのでかなり大きな建造物だが、通常ここでは寝泊りしないので壁はない。またペバイの前には、村の財産である石貨がたくさん飾られたマラル(Malaal)いう場所があり、外国人には「石貨銀行」などと呼ばれているが、実際には伝統の踊りなどを披露するステージである。

旅行へのアドバイス

●ヤップデイ

ヤップデイはヤップの伝統的な生活の知恵を後世に残そうとするひとつの試みで、毎年3月1日に開催される。会場ではヤップ島各地の村から伝統的な踊りが2日間にわたって披露され、農産物や海産物の品評会、ココナッツの皮むきやバスケット編みの競演など、伝統的な生活技術が競われる。
ヤップデイの期間中はどのホテルも満室になるので、予約は早めにしたほうが良い。


●飲酒

21歳以上の成人には酒類の購入、飲用は認められるが、レストランやバー、あるいは私的な場所以外での飲酒は禁じられているので、空港ロビーや道路を歩きながらビールなど飲まないように注意しよう。また教会や学校の近くでは酒類の販売は禁じられている。


●飲料水

ヤップ島の水道水は一部の地域を除き飲用には適さない。ホテルが用意する濾過された飲用水か、店で売っているボトルウォーターを飲用のこと。


●私有地への無断進入に注意

ヤップ島の土地は、コロニアの一部や幹線道路のほかはほとんど私有地で、地主や管理者に断りなく勝手に立ち入るのは非常識で失礼な行為となる。島内のあちこちにある観光スポットを訪ねるには、ツアー会社やホテルのツアーに参加するか、ガイドを手配する。現地のルールに従えば人々は親切で、温かく迎えてくれる。


●写真撮影の注意

人物や個人の家などプライバシーにかかわるものには無断でカメラを向けないこと。写真撮影には必ずガイドの指示や本人の意向に従う。


●服装について

観光客用のビーチやボートの上など特定の場所以外で水着だけになるのはマナー違反である。ビーチやボートを離れるときは、シャツとパンツまたはタオルなどを身につけよう。また女性のショートパンツやミニスカート姿も避けたほうが良い。パレオなど簡単に身につけらるものがあれば便利。


●ゴミのポイ捨て禁止条例

道路や公園などの公的な場所にゴミをポイ捨てすることは州法違反で、現行犯で見つかると罰金の対象となる。


●道路の案内標識

ヤップ島の主だった交差点には観光局設営の案内標識が立っている。それには観光客を受け入れている村の入口も表示されているが、ヤップの村へ入るにはガイドを伴うのが原則なので、車などで気づかずに入り込むことのないようにしよう。


●調査や取材活動について

ヤップ州内で自然・社会科学調査あるいは映画・テレビなどの取材活動をするには、事前にヤップ州政府歴史保存局(HPO)に届け出て調査費を払い、許可証を取得しなければならない。
ヤップ州歴史保存局(Tel:350-4226 Fax:350-4256 E-mail:yaphpo@mail.fm